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#8全面改装工事③重大な問題が発生

重大な問題が発生

【リフォーム事例紹介】I様邸・第2話 — 解体して、はじめて見えてきた家の真実

リフォーム工事には、ある意味「家の健康診断」のような側面があります。ふだんは壁や天井の内側に隠れている構造の中身が、解体してはじめて姿を現すのです。

I様邸の工事は、当初の計画通り順調にスタートしました。ところが、解体を進めていく中で、私たちはひとつ、いやふたつ、思わず息をのむような事実に直面することになります。

■ 解体の現場で発覚した、ふたつの重大な問題

最初に手が止まったのは、構造を支えているはずの主要な柱が、過去のどこかのタイミングで抜かれていたことに気づいた瞬間でした。図面上は確かに「ある」はずの柱。でも、壁を剥がしてみると、そこには本来の柱がなかったのです。

おそらく、過去の増改築のどこかで「邪魔だから」と取り払われ、構造的な補強がされないまま今日まで来てしまったのだと思われます。表面上は何の問題もないように見えていた家ですが、実は柱一本分の力を、ほかの部分が無理してカバーしていた状態でした。

そしてもう一つ。地盤沈下の影響で、土台と基礎の間に隙間ができてしまっていることも発覚しました。土台というのは、基礎の上にしっかり乗っていることで初めて家を支えられるもの。そこが浮いてしまっているということは、地震や強風のときに力をうまく逃がせない、ということでもあります。

「このままでは、安心して暮らせる家にはできない」——現場で図面を広げながら、スタッフ一同、率直にそう感じました。I様にもすぐにご報告し、ありのままの状況をお伝えしました。

■ なぜ、こんなことが起きていたのか

築年数を経た住まいでは、こうした「隠れた問題」が出てくること自体、実はそれほど珍しい話ではありません。

柱が抜かれていた件については、過去のリフォームや増改築のときに、構造計算をきちんと行わないまま手が加えられた可能性が高いと考えられます。当時はまだ、構造に関する考え方も今ほど厳密ではなく、「間取りを優先して柱を抜く」といった工事も少なくありませんでした。

地盤沈下のほうは、長い年月の間に、周辺の地下水位の変化や地盤そのものの動きが少しずつ積み重なって起きたものと推測されます。新潟という土地柄、雪解け水や地下水の影響も無視できません。

どちらも、「住んでいる人がふだん気づける問題ではなかった」というのが、現場で見ていての正直な感想です。だからこそ、本格的なリフォームのタイミングで明るみに出たのは、ある意味では幸運なことだったのかもしれません。

■ Reafが選んだ、3つの対策

I様の「安心して暮らせる家にしたい」というご希望を実現するために、Reafは次の3つの工事を組み合わせて提案しました。

1. 柱の交換と金物による補強 抜かれていた柱を新しく入れ直し、劣化が進んでいた柱についても交換を行いました。さらに、柱と梁、柱と土台のつなぎ目には耐震金物をしっかり取り付け、揺れに強い構造へとつくり変えていきます。「抜けていた一本」を入れ直すだけでなく、家全体のバランスを整え直すイメージです。

2. ジャッキアップ工法による土台と基礎の補正 特殊なジャッキで建物全体を慎重に持ち上げ、土台と基礎の間にできていた隙間を埋め、水平をきちんと取り直しました。家を「持ち上げる」と聞くと驚かれるかもしれませんが、経験のある職人がミリ単位で調整しながら進めていく、伝統的かつ確実な工法です。

3. 耐震性を底上げするための補強 上記の対策に加えて、要所に耐震金物や構造用合板を入れることで、家全体の耐震性能を引き上げました。新潟は地震もある地域ですから、見えない部分にこそ手を抜けません。

いずれも、技術と経験が問われる工事です。とはいえ、こういう「想定外」が起きたときこそ、職人の腕の見せどころでもあります。Reafには、長年の現場で同じような難しい状況をくぐり抜けてきた熟練の職人が揃っており、今回も一つひとつ丁寧に対応していきました。

■ 工事を終えて、I様からいただいた言葉

無事に補強工事を終え、本来予定していたリフォームへと工程を戻すことができたとき、I様からこんな言葉をいただきました。

「見えない部分までしっかり直してもらえて、本当に安心しました。あのまま気づかずに住み続けていたら、と思うとぞっとします。Reafさんに頼んでよかったです」

正直なところ、解体時の発覚はI様にも私たちにも大きな衝撃でした。ですが、結果として「住まいの本当の安心」を手に入れていただけたことが、何よりの救いだと感じています。


リフォームは、見た目を整えるだけのものではありません。家がこれから先の何十年を支えていけるよう、構造の足元から見直していくこと。それが、私たちが考えるリフォームの本質です。

「うちも古い家だけど、大丈夫だろうか」——もしそんな不安を感じていらっしゃる方がいらしたら、まずは一度、現場を見せていただくところから始めましょう。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。

 

次回は、いよいよ生まれ変わったI様邸のAfter編をお届けする予定です。長いトンネルを抜けたあとの、明るい暮らしの様子をお楽しみに。