
問題発生!屋根過重を受ける基礎が無い!壁量が足らない!スケルトンにしてみないとわからない部分が沢山あります。基礎の追加と筋交いの追加を計画に追加しました。
その家、本当に「健康」ですか?— 見えない危険「屋根の過重」と「壁量不足」のはなし
「うちの家、まだまだ大丈夫」——そう思って暮らしていらっしゃる方ほど、実は一度立ち止まって考えていただきたいことがあります。
外壁の色あせ、壁紙の剥がれ、床のきしみ。こうした「目に見える劣化」は、誰でも気づくことができます。けれども、家の本当の健康状態は、もっと奥の方——構造そのものに隠れていることが少なくありません。
中でも、私たちReafが現場でよく出くわす「見えない危険」が、屋根の過重と壁量不足というふたつの問題です。今回はこの2つについて、なぜ起きるのか、放っておくとどうなるのか、そしてどんな対処ができるのかを、現場の視点から整理してお伝えします。
■ 屋根の過重 — 家がじわじわ「肩こり」を起こしている状態
「屋根の過重」というのは、その名の通り、屋根が重すぎることで建物全体に負担がかかっている状態のことです。
新潟のような雪国では、もともと立派な瓦屋根のお宅が多くあります。それ自体は何の問題もないのですが、年月とともに、そこへ雪の重みが加わり、後付けでソーラーパネルを載せたり、過去の増築で形状が変わったりすると、当初の設計が想定していた以上の荷重が屋根にかかってしまうことがあります。
イメージしていただきたいのは、毎日重いリュックを背負って暮らす状態です。一日二日なら平気でも、何十年と続ければ、肩や腰、膝にじわじわと無理が出てきます。家もそれと同じで、過重を受け続けた柱や梁は少しずつ歪み、やがて建具の開閉などにサインとして表れ始めます。
■ 壁量不足 — 地震に踏ん張る「足腰」が足りていない状態
もうひとつが、壁量不足です。
家を地震や台風から守ってくれているのは、実は「耐力壁」と呼ばれる、筋交いや構造用合板で補強された強い壁です。建築基準法では、建物の規模や形に応じて、この耐力壁を一定量以上配置することが定められています。
ところが、古い建物——特に現行の耐震基準ができる前に建てられたお宅——や、間取りを大きく変えたリフォーム履歴のあるお宅では、必要な壁量が確保されていなかったり、配置のバランスが偏っていたりすることがあります。柔道や相撲でいう「足腰」が弱い状態、と表現すると分かりやすいかもしれません。地震が来たときに踏ん張りきれず、建物がねじれるように変形してしまうのです。
■ 現場で見てきた、実際の事例
文字だけだとピンとこない話なので、Reafがこれまでに対応してきた事例をふたつご紹介します。
事例1:屋根の過重で、家が静かに歪んでいたお宅
築年数の経った、立派な瓦屋根のお宅でした。ご相談のきっかけは、「最近、玄関のドアが閉まりにくい」「2階の窓が固くて動かない」というものです。
現地を拝見すると、柱や梁にわずかなねじれが生じており、原因をたどっていくと、長年の屋根の重みに加え、過去に増築された部分の荷重バランスが崩れていることが見えてきました。建具の不具合は、家全体の悲鳴のような形で表に出ていたわけです。あのまま放置していたら、大きな地震のときに深刻なダメージを受けていた可能性も否定できません。
事例2:壁量不足が、地震で目に見える形になったお宅
こちらは、比較的小さな地震のあとに、壁にひび割れが出てきたというご相談でした。
調べてみると、築年数の古さもあって耐力壁の量が現行基準を大きく下回っており、しかも家の片側に偏って配置されている状態でした。家全体でバランスよく地震の力を受け止めることができていなかったのです。幸い倒壊には至りませんでしたが、耐震性という意味では、安心できる状態ではありませんでした。
ひび割れは、単なる見た目の問題ではありません。それは家が「これ以上は踏ん張れません」と発した、明確なメッセージなのです。
■ 放っておくと、何が起きるのか
これら2つの問題を放置することのリスクは、大きく4つに整理できます。
最も深刻なのは、地震時の倒壊リスクです。命に関わる問題であり、ここを軽く見るわけにはいきません。
次に、資産価値の低下。歪みやひび割れのある住宅は、将来的に売却や相続を考えたときに、評価が大きく下がってしまいます。
そして、補修費用がどんどん膨らんでいくこと。問題は時間が経つほど他の部分にも波及していくので、早めに手を打つほど、結果的に費用は抑えられます。
意外と見落とされがちなのが、健康への影響です。家が傾くと、住んでいる人は無意識のうちに体のバランスを取ろうとします。それが続くと、めまいや頭痛、肩こりといった不調につながることもあると言われています。家の不調が、住む人の不調になっていくのです。
■ Reafの診断と、具体的な対策
Reafでは、こうした構造的な問題に対して、まず家の状態を正確に診断するところから始めます。図面と現況のすり合わせ、構造計算の見直し、目に見える劣化のチェック——これらを一通り行ったうえで、それぞれのお住まいに合った対策をご提案しています。
基礎の補強 家を支える土台が、すべての出発点です。状況に応じて、既存基礎への鉄筋コンクリートの増し打ち、地盤が弱い場合は鋼管杭の打ち込みなど、家の足元から強度を底上げしていきます。地震に強い体をつくるなら、まずは足腰から、というイメージです。
屋根の軽量化 重い瓦屋根を、ガルバリウム鋼板などの金属屋根や軽量スレートに葺き替える方法です。屋根が軽くなると、地震時に建物が受ける力が大きく減り、耐震性が一気に向上します。同時に、断熱性や遮音性も改善できる、一石二鳥の工事です。
耐力壁の増設・配置の見直し 構造計算に基づいて、不足している耐力壁を必要な箇所に追加していきます。単に「数を増やす」のではなく、家全体でバランスよく力を受け止められるよう、配置まで含めて設計し直すのがポイントです。筋交いを入れる方法、構造用合板で固める方法など、現場の条件に合わせて最適なやり方を選びます。
「屋根の過重」も「壁量不足」も、住んでいる方が日常生活の中で気づくのはなかなか難しい問題です。だからこそ、節目のタイミングで専門家の目を入れて、家の現状を見つめ直す——それが、家と家族を守るいちばんの近道だと、私たちは考えています。
「うちは大丈夫だろうか」と少しでも気になった方は、まずは現状を一度見せていただくところから始めましょう。点検もご相談も、無料で承っています。「とりあえず話だけ聞いてみたい」という段階で構いませんので、どうぞお気軽にお声がけください。
