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#13全面改装工事⑥接合部分の強化は万全か?

鋼製束と大引受け金物
鋼製束と大引受け金物

接合部分の強化は万全か?

【床下のお話】鋼製束と大引受け金物 — 普段は見えない、家を支える縁の下の力持ち

普段の生活の中で、床下をのぞき込むことは、まずありません。けれど、その見えない場所には、毎日の暮らしを文字通り「支えている」部材たちが、静かに仕事をしてくれています。

今回ご紹介するのは、その中でも特に重要な役割を果たしている2つの部材——**「鋼製束(こうせいづか)」と「大引受け金物(おおびきうけかなもの)」**です。リフォームや床下点検で現場に入ると、必ずと言っていいほどお目にかかるこの2つについて、写真を見ながら解説していきます。

■ 銀色の柱のような部材 — 鋼製束(こうせいづか)

写真の中央に、地面からまっすぐ立ち上がっている銀色の柱が写っています。これが「鋼製束」と呼ばれる部材です。

役目を一言で言えば、床を下から支えている柱。建物の重みを地面に逃がし、床が沈み込んだり、地震で揺れすぎたりするのを防いでくれています。

「束(つか)」という呼び名は、もともと木造建築で使われてきた木の柱(木束)に由来しています。昔は太い木材を加工して床下の柱に使っていたのですが、木は時間が経つと腐ったり、シロアリに食べられたりする宿命があります。そこで、現代の住宅では、こうした弱点を克服した鋼鉄製の束——鋼製束が主流になっています。

鋼製束のいちばんの特徴は、高さを微調整できることです。柱の中間にネジ式の機構が組み込まれていて、ここを回すと上下に伸縮させられる仕組みになっています。建てたばかりの床はもちろん、何年か経って地盤が落ち着いてから少し床の水平が狂ってきた、というときにも、調整ひとつで持ち直せることがあるのです。

腐らない、虫に食われない、あとから調整できる——この3拍子が、鋼製束が広く使われている理由です。

■ 鋼製束の頭にのる、四角い部材 — 大引受け金物

鋼製束の上にちょこんと乗っている、四角い箱のような部品。これが「大引受け金物」です。

その名のとおり、「大引(おおびき)」という太い横木を受け止めるための金具です。大引というのは、床を支えるために水平方向に渡される、太く頼もしい木材のこと。床板の重さや、その上を歩く人の重さは、まずこの大引が受け止め、それを鋼製束へと伝えていきます。

大引受け金物は、ただ大引を乗せるだけの台ではありません。大引が横にずれたり、振動でガタついたりしないように、しっかり固定する役割も担っています。形状にも、大引をきちんと噛み合わせるための工夫が施されており、見た目は地味ながら、構造上はかなり重要なパーツです。

■ 2つがコンビで働くから、床はしっかり立っていられる

鋼製束と大引受け金物は、単独で使うものではなく、セットで使ってはじめて本来の力を発揮します。

人が床の上を歩いた瞬間に何が起きているかを想像してみてください。歩く足の重みが、まず床板から大引に伝わります。その重みは大引受け金物を介して鋼製束へと届き、最終的に地面が受け止める——この力のバトンリレーが、すべての床下でつねに行われているわけです。

もし鋼製束の高さがずれていたり、金物の固定が緩んでいたりすると、このリレーは途端にうまくいかなくなります。床がきしむ、歩くと沈む、家具が傾いて見える——こうした不具合の原因が、実は床下の小さな不調から来ているケースは少なくありません。

■ 「床がギシギシ鳴る」「歩くとふわっとする」と感じたら

最後に、現場でよく耳にするご相談についてもお伝えしておきます。

「最近、床が鳴るんです」「歩くと、なんだかふわっと沈む気がして」——こうしたサインは、床下のどこかに不調が出ている可能性があります。床板そのものの問題のこともありますし、鋼製束のゆるみ、大引の劣化、湿気による木部の傷みなど、原因はさまざまです。

幸いなのは、こうした不具合の多くは、早めに見つければ大がかりな工事をせずに直せること。床下に潜って点検し、必要に応じて鋼製束の高さを調整するだけで解決するケースもあります。

「気のせいかも」で済ませず、気になったときに一度プロの目で見てもらう。それが、床下を長く健康に保つ一番の近道だと思います。


普段は見えないところで、家を支え続けている部材たち。一つひとつの役割を知ると、家に対する信頼や愛着も、少しだけ深まるのではないでしょうか。

 

床まわりで気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください。床下点検も承っています。