
基礎工事における防湿フィルムの施工の重要性
【家づくりの基本】地面からの湿気から家を守る — 防湿フィルムの大切な仕事
家を建てている現場で、地面一面に銀色や黒のシートが大きく敷き詰められている光景を、見かけたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
あれが、**「防湿フィルム」**と呼ばれる資材です。完成してしまえばコンクリートの下に隠れて、二度と目にすることはなくなる存在ですが、家の寿命を陰でしっかり支えている、本当に重要な部材なのです。
■ 地面が抱えている、見えない水分
意外に思われるかもしれませんが、地面というのは、実はかなりの量の水分を含んでいます。雨が降ったあとはもちろん、梅雨どきや雪解けの季節、さらには地下水位の高い土地では、一年を通して湿気が地面から立ちのぼってきます。
新潟のような豪雪地帯では、特にこの傾向が顕著です。冬のあいだに積もった雪がじわじわと溶けて土に染み込んでいくため、春から夏にかけて地面の含水量が高くなりやすいのです。
そして、その湿気がどこに向かうかというと——上に建っている、私たちの家です。何の対策もしないと、地面からの水蒸気は基礎コンクリートへじわじわと吸い上げられ、やがて床下の木材や、ひいては建物全体に影響を与えていきます。
リフォームで床下に潜ったとき、土がじっとりと湿っていたり、鋼製束の根元にうっすら錆が浮いていたりするのを見ると、「ああ、この家はずっと地面と戦ってきたんだな」と感じることがあります。
■ 防湿フィルムは、何をしているのか
防湿フィルムは、その名のとおり、湿気を防ぐための薄いシートです。基礎の底盤部分——つまり建物の真下にあたる地面の上に、隙間なく敷き詰めて使います。
仕事はとてもシンプルで、「地面から立ちのぼってくる湿気を、ここで止める」。それだけです。けれども、この一枚があるかないかで、家の長期的な健康状態はまるで変わってきます。
具体的にどんなメリットがあるのか、整理してみましょう。
ひとつ目は、基礎そのものの耐久性が上がること。コンクリートは丈夫な素材ですが、長年湿気にさらされ続けると、内部の鉄筋を傷める原因になり、劣化が早まります。防湿フィルムが間に入ることで、コンクリートを湿気から守ることができます。
ふたつ目は、シロアリの発生抑制。シロアリは湿った場所が大好物です。床下にじめっとした環境ができてしまうと、シロアリにとっての好条件が揃ってしまいます。湿気の供給源を断っておくことで、シロアリの寄り付きにくい環境を保てます。
3つ目は、室内環境の改善。床下からの湿気は、知らないうちに家全体の湿度を押し上げます。それがカビやダニの発生、フローリングの反り、壁紙の浮きなど、さまざまなトラブルの原因になります。床下の段階で湿気を止めておけば、住まいが「健康に呼吸できる」状態になります。
そして見落としがちなのが、家を支える木材の健康です。土台や大引といった木部は、湿気に弱い性質があります。床下から立ちのぼる水蒸気を放置すると、見えないところで少しずつ腐朽が進んでしまうこともあります。
■ 施工のポイントは「とにかく隙間を作らないこと」
防湿フィルムの施工で何より大切なのは、隙間を作らないことです。湿気というのは、ほんのわずかな切れ目があれば、そこからどんどん上がってきてしまいます。
シートを重ねるときには規定の幅でしっかり重ね、つなぎ目はテープで丁寧に塞いでいく。配管や鉄筋まわり、立ち上がり部分の取り合いも、隙間が出ないようにきっちり切り合わせていく。仮に小さな破れができてしまったら、その都度しっかり補修する——こうした地道な作業の積み重ねが、防湿性能を支えています。
「どうせコンクリートで覆ってしまえば見えないのだから」と気を抜いてしまうと、完成後に床下の湿度が高くなり、何年も経ってから不具合として表に出てくることになります。
Reafでは、見えなくなる部分こそ手を抜かない——という考え方で、一枚一枚のシートを丁寧に敷き込んでいきます。
家を支えているのは、目に見える柱や壁だけではありません。地面の上でひっそりと働き続けている一枚のフィルムも、家の寿命を陰で支える、頼もしい仲間です。
これから家を建てる方、リフォームで床下の状態が気になっている方、あるいは「最近、家の中がなんだか湿っぽい気がする」とお感じの方も、いつでもお気軽にご相談ください。床下の様子を点検するところから、お手伝いいたします。
